エンジン振動が大きい原因と対策|エンジン振動抑えるには添加剤?

エンジン振動の原因

ガタガタと車体全体が揺れるほど、
エンジン振動が大きくなってしまう原因として、

  • スパークプラグがかぶっている
  • エンジンマウントの劣化
  • インジェクター(燃料噴射装置)の不具合
  • エンジンの不調
  • ISCVの不具合
  • ノッキング(燃料ポンプ不具合)
  • エアフロメーターの汚れ・故障
  • エアクリーナー(エアフィルター)の汚れ
  • レギュレーターバルブの汚れ
  • エンジンオイル周り
  • エンジンが冷えている

といったものが挙げられます。

車(バイクも同様)のエンジンでは、

  • 吸入
  • 圧縮
  • 燃焼
  • 排気

という4つのサイクルが繰り返されています。

このサイクルの中のどれか一つが上手く機能していなかったり、
機能同士の連携がスムーズにいかない場合、
エンジンの振動が激しくなることがあります。

スパークプラグがかぶっている

スパークプラグとは、エンジン内でガソリンを燃やすために
火花を飛ばしている部品です。

このスパークプラグから火花が出なくなってしまうと、
エンジンが正常に作動しなくなって、エンジン回転数が低下。

回転数が落ちることで、
エンジンがブルブルと震える症状を起こすことがあます。

スパークプラグから火花が飛ばなくなるのは、
燃料(ガソリン)や水分の付着が主な原因で、
この状態を「スパークプラグがかぶる」と呼ぶのが業界用語です。

特にエンジン始動してすぐにエンジンを切ってしまうと、
スパークプラグがかぶりやすくなります。

エンジン始動時は大きな力が必要なので、
ガス燃料が濃い目に送られる分、
スパークプラグに燃料が付着しやすくなるからです。

もちろん、スパークプラグ自体が劣化・損耗している場合もあるし、
スパークプラグに電気を流しているプラグコードが劣化していて、
リーク(漏電)していることも考えられます。

スパークプラグがかぶった状態を放置して、
ますます汚れが付着してしまうと、
最悪の場合、火花が完全に出なくなり、
エンジンがかからなくなることもあります。

ただその前に、エンジン警告灯が点灯するはずなので、
事前に異常を感知できるはずです。

エンジンマウントの劣化

エンジンマウントとは、
車体とエンジンの間にあるゴム部品で、
エンジンを支えて車体と連結させるだけではなく、
振動を吸収する役割も担っています。

車を構成している部品の中で最も重量があるエンジンを
エンジンマウントが支えていて、エンジンが発する振動・熱を
直接受けています。

そのため、経年劣化を避けることはできず、
硬化、つぶれ、ひび割れ、ちぎれなどが生じます。

エンジンマウントのゴムがちぎれた場合は特に、
加減速時にエンジンが暴れ回って周囲の金属部品とぶつかり、
「ガン」「ゴン」などと異音も生じるようになります。

千切れたとしても、走行中にエンジンが車から脱落するとか、
そういった危険はないものの、放置するわけにはいきません。

冷却水やガソリンのパイピングなど
エンジンにつながる部品にぶつかって損傷させたり、
ラジエターなどにぶつかって破損することもあり得ます。

もしラジエターが故障してラジエターから冷却水が漏れるようなことが起きたら、
エンジンを冷やしきれなくなってオーバーヒートの危険が高まります。

エンジンの異常を知らせるエンジン警告灯が点灯したり、
ラジエーターから漏れた冷却水が高温のエンジンに付着することで、
煙を発生させることもあります。

関連ページ:ボンネットから煙が焦げ臭い|エンジンから白煙・焦げ臭い煙の原因は?

インジェクター(燃料噴射装置)の不具合

インジェクターとは、燃料ポンプからガソリンを吸い上げ、
霧状にガソリンを噴射して気化させる装置です。

気化したガソリンと空気の混合気体に点火することで、
爆発力が生まれ、エンジンを動かすエネルギー源となります。

4気筒のエンジンなど「○○気筒」というのは、
ごく簡単に言うとインジェクターの数と同じです。

単にインジェクターが汚れているせいで、
ガソリンをキチンと噴射できていないこともありますが、
インジェクター自体に故障が発生していることも考えられます。

インジェクターの不具合は、
エンジンの「燃焼」機能に悪影響を及ぼして、
エンジン振動を招きます。

エンジンの不調

エンジンそのものに不調が生じている場合も、
エンジン振動が激しくなります。

特にアイドリング中(停止中)にエンジンの揺れを感じやすく、
タコメーターのエンジン回転が低すぎないか、確認してみましょう。

通常は1000回転程度のはずですが、
大幅に下回っている場合はエンジン不調が考えられます。

関連ページ:アイドリング不安定|車のアイドリング不調原因はバッテリー?プラグ?

ISCVの不具合

ISCVとはアイドル時専用の空気量調整機構
(ISCV:アイドル・スピード・コントロール・バルブ)

アイドリング時のエンジン回転数を
コンピューターで自動で制御している装置です。

たとえば、エンジンを始動させた直後は、
エンジンを早く温めるために回転数が高くしようとします。

またエアコンやオーディオを使い始めた時などは、
バッテリーの大量消耗を防ぐために、
やはり回転数を増やして発電量を増やします。

アイドリング中、エンジンに流れ込む
空気(エア)の大半はISCVを通過していますが、
エアの中には、カーボンやホコリ、オイルなどの
汚れも混ざっています。。

こうした汚れがISCVに付着し、
ISCVの不具合を起こすことがあります。

ノッキング(燃料ポンプ不具合)

ノッキングとは、エンジン内で燃料の異常燃焼が起きるせいで、
エンジンが不自然に振動したり異常音が出ることです。

正常なエンジンシステムでは、
インジェクターによって点火されることで、
燃料が燃焼しています。

けれども、何らかの原因で燃料が自然発火することで、
爆発による衝撃で振動が起こることがあるし、
エンジン動作のリズムを乱すことでエンジンがガタガタと
震えることがあります。

自然発火するのは燃料と空気が気化した混合物が、
通常よりも高圧縮されて爆発音度が下がることが原因の一つ。

高圧縮が起きてしまう原因として、
燃料ポンプ不具合が考えられます。

燃料ポンプから燃料(ガソリン)がきちんと
エンジンへ送ることができなくなっている場合、
高圧縮が起きてノッキングすることがあります。

エアフロメーターの汚れ・故障

エアフロメーターとは、
エンジン内に吸入する空気の量を制御している電子部品です。

エアフロメーターが汚れていたり、故障してしまうと、
エンジンの4つのサイクルのうち「吸入」のリズムが乱れ、
エンジン振動を招くようになります。

エアクリーナー(エアフィルター)の汚れ

エアクリーナとはエンジン内にゴミやチリ等の
不純物が入り込むのを防ぐためのフィルターです。

混合気(空気とガソリンと混ぜ合わせた気体)以外のものが
エンジン内に入ってしまうと、燃焼効率が低下して
加速が重くなったり燃費が悪くなってしまいます。

最悪の場合は、エンジンが故障の原因となります。

エアクリーナーは、人間で言えば「気管」にそうとうする、
インテークマニホールドという部品に取り付けられていて、
ボンネットのエアクリーナボックスの中に入っています。

レギュレーターバルブの汚れ

レギュレーターバルブとは、
エンジン油圧を一定値に制御するスプリング式のバルブです。

油圧が高くなり過ぎないようにする圧力調整弁の働きをしていて、
エンジン内部の油圧が上がってくると、
余分のオイルを逃がして油圧を下げています。

エンジンオイルに直接触れる部品ですから、
エンジンオイルが古くなってくると、
レギュレーターバルブにカスのようなものが付着し、
レギュレーターバルブの働きに悪影響を与えるようになります。

その結果、エンジンサイクルが乱れ、
エンジン振動が起きることがあります。

EGRバルブ

ディーゼルエンジンに設置されているバルブで、
排気ガスを吸気側にいったん戻し、
新しい空気ともう一度、混ぜるシステムです。

排気側と吸気側をつないだパイプに弁がついていて、
その弁を開閉することで吸気側に戻す排気ガスの量を
調整しています。

排気ガスを吸気側に還流させることで、
燃料(経由)をゆるやかに燃焼させることができ、
窒素酸化物(NOx)の生成を抑えることができます。

ディーゼル車が環境にやさしいエコ車と言われるのは、
窒素酸化物の排出量を減らす仕組みが搭載されているからです。

エンジンオイル周り

エンジンオイルの量が減少していたり、
粘度が低下していたり、劣化することで、
エンジンサイクルが乱れ、エンジン振動を招くことがあります。

また、エンジンオイルの粘度がエンジンと合っていない場合も、
エンジン振動が起きることがあります。

ちなみにエンジンオイルの粘度はエンジンオイルの缶に
書かれている「5W-30」といった表記でわかります。

「W」の左側の数字(この場合は5)が粘度を表していて、
10、5のほか、0のように超低粘度のエンジンオイルもあります。

エンジンオイルの粘度が低くなると、
始動性が早く、燃費が良くなります。

エンジンオイルの粘度が高くなると、
高速性能が良くなり、耐摩耗性に優れます。

エンジンが冷えている

冬の寒い時期など、エンジンが冷え切った状態でエンジンを動かすと、
エンジン振動が激しくなりがちです。

エンジンは、ある程度の温度で動くことを想定して作られているため、
低い温度だと動きがガタガタになってしまうんです。

エンジン以外にも、先ほど紹介したエンジンオイルが原因で、
寒い時期のエンジン振動が大きくなることがあります。

エンジンオイルが冷えて粘度が高くなってしまうと、
エンジン内でエンジンオイルがスムーズに循環できなくなり、
エンジンがガタガタ振動する要因となります。

エンジンオイルの温度は、80度~100度くらいで
一番効率の良い燃焼状態になります。

エンジンをしばらく動かしていれば、
そのうち振動は収まるはずですが、
エンジン振動が激しいままだったり、

アイドリングも不安定なようだと、
エンジン故障が起きている可能性が高くなります。

走行中の振動の原因はホイールバランス

ちなみに、車を運転している最中に、
ステアリング(ハンドル)がガタガタと振動する場合は、
ホイールバランスが悪くなっていることが原因として考えられます。

タイヤとホイールを組み替えたときにホイールバランスは崩れやすく、
ほかにも、

  • タイヤの摩耗具合が極端に違う
  • タイヤが摩耗して変形している
  • ローターに歪みが生じている
  • タイヤの空気圧が極端に違う

といった要因でホイールバランスが崩れ、
振動が起きることがあります。

ホイールバランスの調整は、
オートバックスとかでも安い費用でやってもらえます。

関連ページ:タイヤの空気圧は高め?低め?スタッドレスタイヤの空気は?

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