飛行機酔いしない方法と原因|飛行機酔い止め薬と対処法

飛行機酔いは車やバス、電車に乗った時の乗り物酔いと同じで、
医学的には「動揺病」「加速度病」とも呼ばれる症状です。

不規則な揺れや加減速によって頭が揺さぶられることで、
神経の働きが乱れ、気分が悪くなることが原因です。

飛行機酔いを予防するには十分な睡眠を取ったり、
お腹を満たしておくことや、飛行機に乗る前に
酔い止め薬を飲んでおくのが良いです。

飛行機酔いの原因は乗物酔いと同じ

飛行機酔いの原因は自律神経の乱れです。

私たちの体というのは
様々な器官が連動してコントロールされています。

普通に立ち上がったり歩いたりするときにも、
目や耳から入ってきた情報をもとに、
スムーズに行動できるようになっています。

けれども、ゆらゆらとした揺れが続いたり、
不規則に加速・減速を繰り返すような状況になると、
器官同士の連動がぎくしゃくするようになります。

私たちは普段、内耳のある三半規管という組織の働きで、
平衡感覚を保ち、バランスが崩れないようにできます。

けれども、不規則な加減速や揺れが続くと、
三半規管が常に揺さぶられる状態となります。

その結果、耳から入る聴覚情報と、目から入る視覚情報に、
微妙なずれを生じるようになります。

このずれが、脳で「不快」「不安」と解釈されると、
大脳の一部が危険信号を発するようになり、
自律神経が不安定になります。

自律神経には交感神経と副交感神経という2つの神経がありますが、
2つの神経のバランスが大きく乱れることで、
身体症状を伴うようになります。

自律神経の乱れが軽度であれば、
生あくびをするようになったり、
つばや冷や汗が増える程度で済みます。

症状が悪化すると、めまいや胃の不快感が強くなって、
吐き気・おう吐を伴うこともあります。

お酒の二日酔いと飛行機酔いの違い

酔いと言えばお酒を飲み過ぎたときに感じる二日酔いもありますが、
飛行機酔いとは種類が異なります。

二日酔いで起きる吐き気や嘔吐というのは、
アルコールを分解する過程でできる
アセトアルデヒドの作用によるもの。

飛行機酔いの場合はアセトアルデヒドは関係なく、
あくまでも、自律神経の働きが乱れることが原因です。

飛行機酔いの対処法・治し方

飛行機酔いしてしまった場合の対処法や、
症状の治し方を挙げると、

  • 機内搭乗中はラクな姿勢をとる
  • 酔いに効くツボを押す
  • 氷を口に含む
  • 酔い止め薬を飲む

といった方法があります。

ラクな姿勢をとる

ベルトやシャツのボタンを緩めて、
服の締め付けを解放させ、血の巡りを良くしましょう。

できれば横になるのが一番ですが、飛行機の狭い座席だと、
スペースを確保することはできません。

座席に深く腰をかけたり、背もたれのリクライニングを下げて、
ゆったりできる姿勢を作りましょう。

逆に前かがみの姿勢や下を向いてしまうと胃を圧迫して
吐き気を強めてしまうので気を付けなければいけません。

酔いに効くツボを押す

飛行機良い(乗り物酔い)に効くツボとして「内閣」があります。

手首内側の付け根にある少しへこんだ部分、
手首の付け根から、指2本くらい置いた位置です。

気分が悪くなったら、できるだけすぐ押し始めると良いですし、
飛行機に乗る前に内閣のツボを押しておくことで、
飛行機酔いしにくくなります。

氷を口に含む

冷たいものを口に含ませることによって、
自律神経のバランスを整える効果が期待できます。

もちろん、かみ砕いてしまうと意味がないので、
噛まずにゆっくりと口の中で溶かすようにしましょう。

CAさんに飛行機酔いしていることを伝え、
お願いをすれば、氷を用意してもらえるはずです。

酔い止め薬を飲む

飛行機酔いした後の対処法というよりは、
飛行機酔いする前の予防法に近いですが、
酔い止め薬を飲むのも良いです。

酔い止め薬は、飲んですぐに
効き目が現れるわけではないものの、
徐々に飛行機の酔いの症状が改善されて、
気分が良くなってきます。

ただ酔い止め薬を機内持ち込みする場合、
持ち込み制限の対象となる可能性もあるので、
下記の記事にもあらかじめ目を通しておくと良いですよ。

関連ページ:目薬・コンタクト洗浄液・医薬品の機内持込み|国際線・国内線では?

飛行機の酔い止め薬について

乗り物酔い薬としては、

  • エスエス製薬のアネロン
  • エーザイのトラベルミン

などがあります。

乗り物酔い対策で使われる酔い止め薬には、
大きく分けて2種類あり、
1つは、吐き気や胃の不快感を和らげるもの。
もう一つは、自律神経の働きを整えるものです。

抗ヒスタミン作用のある酔い止め薬は、
嘔吐中枢を抑制することで吐き気、めまいなどの症状を和らげたり、
予防効果をもたらします。

胃粘膜局所麻酔作用のある酔い止め薬は、
胃粘膜の知覚神経を麻痺させることで、
嘔吐感を抑えてくれます。

副交感神経遮断作用のある薬が、
自律神経の働きを整えて、
乗り物酔いの症状そのものに対策ができます。

いずれの酔い止め薬を使うにしても、
効果が現れるまでには30分ほどの時間がかかるので、
飛行機に搭乗する前に服用しておくのが良いです。

ちなみに、薬の持ち込みについては液体タイプの場合だと、
医師の処方箋がないと、持ち込み制限されることがあります。

ただ、アネロンもトラベルミンもどちらも固形なので、
持ち込み制限の対象にはならないので、
飛行機酔いが不安な場合には、機内持ち込み手荷物の中に、
入れておくと良いですね。

飛行機酔いしない方法(予防法)

飛行機酔いしない方法として、
一番良いのは、飛行機搭乗前に酔い止め薬を飲んでおくことです。

他にどんな予防方法があるのかというと、

  • 十分な睡眠をとっておく
  • 空腹状態を避ける
  • 頭の揺れを防ぐ
  • ゆったりとした服を着る
  • 不安やストレスを和らげる
  • 甘いもの・酸っぱい食べ物を食べる

といったものがります。

十分な睡眠をとっておく

普段は乗り物酔いなんてしない人でも、
睡眠不足だと飛行機酔いする危険性が高くなります。

睡眠不足によって
自律神経のバランスが崩れやすくなるからです。

普段から乗り物酔いしやすいのであれば、
飛行機に乗る前に十分に睡眠時間をとるようにしましょう。

空腹状態を避ける

お腹が減るとイライラした気分になるように、
空腹状態は自律神経とも深いかかわりがあります。

逆に、満腹に近い状態だと心も満たされるように、
自律神経のバランスも整いますから、
飛行機に乗る前に、ある程度はお腹を満たしておきましょう。