インフルエンザの抗生剤(抗生物質)併用|禁忌のインフル抗生剤は?

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・飲んじゃダメ薬の詳しい説明
・予防投与の詳しい説明
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インフルエンザに感染した場合、
一般的にはタミフルやリレンザなど、
抗インフルエンザ薬が処方されます。

症状によっては、抗インフルエンザ薬だけじゃなくて、
他にもいくつか薬が同時に処方されることがあり、
その中には、クラリスやクラリシッドなど、
抗生剤(抗生物質)が含まれていることがあります。

薬についてちょっと知識があれば、
インフルエンザに抗生剤(抗生物質)は効かないことは、
すぐにわかるんですが、それなのになぜ、
処方されることがあるのか?

その理由は意外と合理的なものなんです。

関連ページ:インフルエンザでバファリン飲んでしまった【インフルエンザとバファリン】

インフルエンザで抗生剤(抗生物質)を飲む理由

抗生剤(抗生物質)は主に
細菌性の感染症の場合に使うものです。

それに対してインフルエンザは
ウイルス感染が原因です。

ウイルスと細菌では構造が全く異なるため、
インフルエンザを治す(症状を抑える)ために
抗生剤(抗生物質)は全く意味はないんですが、、、
心配なのはインフルエンザ合併症です。

インフルエンザに感染すると
インフルエンザウイルスをやっつけるため
免疫力がウイルス退治に集中してしまう結果、
その他の病気にかかりやすくなります。

関連ページ:インフルエンザ解熱後も頭痛や吐き気|インフル解熱後も気持ち悪い・めまいが続く…

黄色ブドウ球菌や、肺炎球菌など、
インフルエンザが流行しやすい時期に、
流行しやすい細菌性の病気を予防するために、
抗生剤(抗生物質)も処方されることがあります。

もしくは、すでに何らかの細菌性の病気に
かかっていると考えられる場合にも、
症状を改善させるために処方されます。

関連ページ:インフルエンザ 味覚障害が戻らない!味がしない原因と治し方

抗生剤(抗生物質)とは?

抗生剤(抗生物質)とは、微生物(細菌など)の増殖を抑えたり、
活動を阻害する効果のある薬の総称です。

どんな風に細菌の働きを阻害するか?によって、

細胞壁合成阻害薬
タンパク質合成阻害薬
核酸合成阻害薬

という主に3つの種類に分けることができます。

インフルエンザに罹った時に処方されることが多いのは、
クラリス(クラリスロマイシン)・クラリシッドです。

どちらも同じ成分で、ただ製薬会社が違うため、
薬の名前が違っています。

タンパク質合成阻害薬に分類される
マクロライド系の抗生剤で、

  • ブドウ球菌、肺炎球菌などの抑制
  • 扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、中耳炎、副鼻腔炎の予防・症状緩和

といった効果が期待できます。

クラリスにはさらに、
免疫力を強化する作用があることが判明し、
インフルエンザの早期治療の期待が持てます。

インフルエンザのときに処方される抗生剤(抗生物質)には、
他にも、セフェム系のフロモックスというのがあります。

引用サイト:マクロライド系抗菌薬の解説|日経メディカル処方薬事典

細菌のタンパク質合成を阻害し細菌の増殖を抑えることで抗菌作用をあらわす薬

  • 細菌の生命維持や増殖にはタンパク質合成が必要となる
  • タンパク質合成はリボソームという器官で行われる
  • 本剤は細菌のリボソームでのタンパク質合成を阻害し細菌の増殖を抑える

処方された分はすべて飲みきる

抗生剤(抗生物質)の効果をしっかり引き出すには、
処方された分を全て飲みきらないといけません。

途中で飲むのを止めたりしてしまうと、
細菌が逆に耐性を持つようになってしまい、
抗生剤の効き目がひどく悪くなることがあります。

体調が上向いてきたとしても、
体内にはまだ細菌が残っているものなので、
抗生剤(抗生物質)は最後まできっちり
飲み終えるようにしましょう。

抗生剤(抗生物質)にも副作用がある

まれにですが、抗生剤(抗生物質)によって
体調不良を招くことがあります。

抗生剤(抗生物質)の影響で、
胃腸の働きが鈍くなって下痢になったり、
腹痛や発疹と言った症状が見られることがあります。

私たちの体にとって必要な常在菌まで、
抗生剤(抗生物質)によって減らされることによって、
こういった症状が起きることがあります。

関連ページ:インフルエンザ胃痛|胃が痛い・みぞおちが痛い原因と対処法

ウイルスと細菌のちがい

細菌は自分の細胞を持ち、
自ら細胞分裂して増殖することができます。

それに対してウイルスは細胞を持たず、
生きた細胞の中に入り込むことによって、
増殖していきます。

抗生剤(抗生物質)は主に細胞に対して働きかけるため、
インフルエンザウイルスには効果がない
というわけです。

大きさにもかなりの違いがあって、
細菌はマイクロメートル(μm)単位。

1マイクロメートル=1mmの1000分の1

たとえば、ブドウ球菌は、
直径約0.8~1.0μmの球状をしています。
それに対してウイルスは、
細菌よりもさらに小さくなります。

μmの更に1000分の1となる
ナノメートル(nm)単位の大きさとなります。

ノロウイルスだと、
直径約30nm程度の大きさになります。

インフルエンザの合併症

インフルエンザにかかると、
免疫力がひどく低下しやすいので、
その他の病気にかかることも良くあります。
どんな合併症が起きやすいのかというと、

肺炎

肺炎球菌などの細菌によって、
喉や気道の炎症が肺にまで広がっておきます。

高齢者や糖尿病患者がなりやすく、
ひどい咳だけじゃなくて、
38度を超える熱が5日以上
続くことが多いです。

副鼻腔炎

肺炎球菌等に感染して、
鼻腔で繁殖して炎症したケースです。

鼻水がが詰まった感じがしますが、
実際には鼻の奥が炎症して腫れて、
物理的に息の通り道が狭くなっています。

中耳炎

症状の程度に関わらず、
副鼻腔炎になったときに、
鼻をかまずに鼻水をすすり続けると、
細菌たっぷりの鼻水が耳まで届くことがあります。

耳の中で細菌が増殖してしまい、
中耳が腫れてしまうことで痛みを感じます。

結膜炎

細菌は粘膜があるところならば
どこでも繁殖してしまいます。

まぶたの裏にも粘膜がありますから、
インフルエンザで免疫力が落ちているところに、
肺炎球菌などが目に張ってしまうことで、
結膜炎を起こすことがあります。

汚れた手で目をこすったりしないように
注意をしましょう。

関連ページ:インフルエンザ目の充血|目の奥痛いのはインフルの頭痛が原因?

ライ症候群(ライ病)

幼児が発症しやすく、
数日で死に至るケースがあるなど、
かなり危険な病気です。

嘔吐や下痢、けいれんや意識障害
といった症状が見られます。
ライ症候群が起きる原因は
まだ詳しくわかっていません。

インフルエンザウイルスが体に残っている状態で、
アスピリンなどのサリチル酸系の解熱剤を使うと、
発症リスクが高まると言われています。

インフルエンザ脳症

インフルエンザへの過剰な免疫反応が起こり
高サイトカイン脳症が起きることで、
けいれん、意識障害、異常行動といった
症状を起こすことがあります。

血管が詰まって多臓器不全を起こしてしまい、
命に係わる病気に発展する危険があります。

ライ症候群と同様、
幼児がげねえ津剤としてアスピリンを飲んでしまうと、
インフルエンザ脳症のリスクが高くなります。

飲んで良い薬・禁忌薬

ライ症候群とインフルエンザ脳症で説明したとおり、
インフルエンザにかかった時には、
身近な解熱鎮痛薬の中に
飲んで良い薬とダメな薬があります。

そもそも、インフルエンザで高熱になるのは、
ウイルスをやっつけるためです。

体温が上がることでウイルスの活動が弱まり、
免疫力を高めることができるんです。

むやみに解熱剤を使うのはNGで、
熱が上がりすぎてしまった場合や、
頭痛や関節痛がひどい場合にのみ、
解熱鎮痛作用のある薬を飲むようにしましょう。

子供・大人共に飲んで良い薬

アセトアミノフェン系
カロナール、タイレノール、ノーシンピュア(錠剤)
アルピニー、アンヒバ(座薬)
など

イブプロフェン系
イブ、イブA錠、バファリンルナ、エスタック(錠剤)
など

大人は飲んで良い薬

ロキソニン

子供も大人も禁忌薬

サリチル酸系(非ステロイド性抗炎症薬の一種)全般
は飲んじゃいけません。

アスピリン
バファリン、PL顆粒、バファリンA、エキセドリンA錠、ケロリンなど

エテンザミド
ノーシン、新リングル、新パトシック錠など

ジクロフェナクナトリウム
ボルタレン、ブレシンなど

メフェナム酸
ポンタールなど
他にも、

  • サリチル酸ナトリウム
  • サザピリン
  • サリチルアミド

といった成分が入っているものは、
インフルエンザにかかっている間は
避けるようにしましょう。

抗生剤(抗生物質)で抗インフルエンザ薬を強化

抗生剤(抗生物質)の効果で、インフルエンザの合併症の
予防・症状緩和をすることができるんですが、
抗生剤(抗生物質)にはもう一つ重要な役割があります。

抗インフルエンザ薬を使ってしまうと、
インフルエンザの症状を早期改善できるものの、
その代わり、インフルエンザウイルスに対抗する
抗体を十分に作れなくなる可能性があります。

つまり同じインフルエンザウイルスに、
2回感染してしまう危険が出てくるんです。

抗生剤(抗生物質)のクラリス、クラリシッドには、
強い抗体を作りやすくする効果があります。

抗インフルエンザ薬のおかげで、
インフルエンザウイルスの感染期間短くなっても、
感染しないだけの抗体を作れるようになるわけです。

ちなみに、抗インフルエンザ薬について、
ここで簡単にまとめておくと、

抗インフルエンザ薬って何?

インフルエンザウイルスが増殖する際、
ノイラミニダーゼという酵素が触媒となって働きます。

抗インフルエンザ薬は、
ノイラミニダーゼの働きを阻害することで、
ウイルス増殖を防いでくれます。

現在流通している主な抗インフルエンザ薬は、
A型・B型の両方ともに効果があります。

タミフル

主成分:オセルタミビルリン酸塩
投与方法:錠剤orシロップor散剤
服用方法:1日2回を5日間

異常行動が起きるとも言われていましたが、
インフルエンザの高熱によるものだというのが、
現在の主流な考え方です。

エンフルビル、オセフルなど、
タミフルのジェネリック医薬品も出ていますが、
タミフルの効かない耐性ウイルスも出てきています。
副作用
動悸、血圧低下、蕁麻疹、血便、腹痛など

参考サイト:オセフル – 通販価格:5,980円【正規品25%OFF】|薬の通販オンライン

リレンザ

主成分:ザナミビル水和物
投与方法:吸入
服用方法:1日2回を5日間

妊娠中の妊婦さんでも服用できます。

欧米ではさらに、授乳中に飲んでも、
赤ちゃんに悪影響がない、という見解です。
副作用
下痢、発疹、吐き気、動悸など

イナビル

主成分:ラニナミビル
投与方法:吸入
服用方法:1回だけ

解熱作用が最も高く、
他の抗インフルエンザ薬に比べて、
平均1日ほど早く熱が下がり始めます。

2~4日くらいで、
平熱に戻り始めてくれます。

副作用
下痢、吐き気、腸炎など

ラピアクタ

主成分:ペラミビル水和物
投与方法:点滴
服用方法:1回だけ

体力が低下していて、
吸引や経口補給では
薬を飲み込むことができない場合に、
ラピアクタが使われることがあります。

残念ながら、
妊娠中・授乳中には
使うことができません。

抗インフルエンザ薬で症状悪化を予防

抗インフルエンザ薬を予防投与することによって、
インフルエンザに感染した場合の症状を緩和したり、
症状が悪化するのを防ぐことができます。

  • タミフル
  • リレンザ
  • イナビル

の3つに予防効果があるんですが、
費用を全額自己負担する自由診療となっています。

さらに、お医者さんがOKしてくれないとダメなので、
必ずしも、予防投与できるわけではありません。

服用方法も通常とは異なるので、注意が必要です。

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