バタフライエフェクトネタバレ解説|矛盾は刑務所の殺人絵?

バタフライエフェクトは、どんでん返し系の映画の中で、
高いレビュー評価を獲得してたんで、期待してみてみたんですが、、、、
あれ?

個人的には、ユージュアルサスペクツ
の方が何倍も面白かった。汗

近所のレンタル屋さんでは、「貸し出し中」が続き、
悔しい思いをしていたぶん、期待値が上がり過ぎたのかも!?

関連ページ:ユージュアルサスペクツのネタバレ考察と伏線解説|ラストはつまらない?

バタフライエフェクトのあらすじ

なんの前触れもなく突然、
記憶が飛んで気絶したようになり、
その間に起きたことを全く思い出せない。。。

そんな特異体質を持っている主人公エヴァンは、
幼少期に様々な事件にかかわります。

・郵便受けに爆弾を仕掛けて、
母親と赤ちゃんを殺してしまったり。。。

・爆発事件のせいで一緒にいた友人が
引きこもりになってしまったり。

・気がついたら突然、包丁を持っていたり、
学校で大量殺人をする絵を書いていたり。。

・隣に住んでいる家族の父親に、
ビデオ撮影という名目でチャイルドポルノ
まがいの撮影をされたり。。。

なかなかハードな少年期を過ごした後、
幼馴染のケイリー(この映画のヒロイン)に
「いつか帰る」と言い残したまま、
どこかの街に引っ越してどこかの大学へと進学。

大学では脳科学や心理学を学んでいるようで、
自分の記憶が飛ぶ原因を研究しているようでしたが、
ある日、日記を読み返していると、不思議な感覚に襲われます

そしてそのまま意識が飛んでいき、気が付くと、
子供のころのまさに自分自身の意識が飛んだ瞬間に、
タイムスリップしているのでした。。!

記憶が飛んでいる頃の日記を読み返すと、
タイムスリップできることに気が付いたエヴァンは、
過去を変えようと取り組むんですが、、、
その先に待っていた結末が!!!?

バタフライエフェクトのネタバレと矛盾

ここからは完全にネタバレしつつ
バタフライエフェクトのストーリーを考察
していきます。

この映画は要するに、

タイムスリップして(ケイリーとの)過去を変えようとすればするほど、
自分の含めた周りがどんどん不幸になっていくことに気付いたエヴァンが、
誰も不幸にならないように、不幸の連鎖が始まる一番最初のケイリーとの出会いを消した

といった感じ。

同じ時間の流れで複数の世界線が同時進行している
タイムリープ系とはちょっと違いますね。

バタフライエフェクトのエンディングが矛盾していると言われるのは、
脳に常識では考えられない障害が起きていて、
生きているのも信じられないくらいだと言われたのに
それでもエヴァンが生き続けてどういうこと?ってなこと。

タイムスリップを繰り返すたびに、別の記憶が新たに加わるせいで
脳に過剰な負担がかかるという設定になっていて、
実際にタイムスリップから戻るとエヴァンは頭を抱え、
苦しむ様子もありましたが。。。

伏線を張っておいて未回収で終わってしまった感じですね。orz

バタフライエフェクトでは主人公のエヴァンが
ケイリーとの出会いを消すことで一応、
悲観的なハッピーエンドを向けることになるものの、
ケイリーが父親から性的虐待を受けていたことは変わりません。

ケイリーの不幸は残ってしまうんですけどね。

バタフライエフェクトの矛盾はディレクターズカット

バタフライエフェクトには原作があり、
そっちの方の結末はかなり残酷だった模様。

映画では、ラストにつながる8ミリビデオを見て、
ケイリーと初めての出会いのシーンに戻るけれど、
原作ではエヴァンの出産シーンにまで戻るらしい

そして母親の体内の中で、
自らへその緒を自分の首に巻いて、
自ら命を絶つらしい。汗

この設定を聞いてようやく、

これを誰かが見つけたら計画は失敗した証拠。僕は死ぬ。

の意味が分かりました。

8ミリを見て過去に飛べなければ、
脳の障害を背負ったままになるため、死は免れません。

小さなころから日記を書き続けていたエヴァンは、
自分のことを記録する癖が身についてしまって、
ついついこんな遺書まがいなものを残したくなったのでしょう。

ただ、原作通りに解釈をするならば、
エヴァンはいずれにしても死ぬ覚悟をしていた
わけですよね。

最終的にケイリーを爆死させる展開になってましたが、
自分が過去に戻れば戻るほどみんなを不幸にするとわかっている以上、
自分は存在しちゃいけないんだ、という思いが強くなったんでしょう。

奇しくも、同じ能力を持っていた父親の指摘通り

「お前は生きていちゃいけない存在なんだ。」

の言う通りになってしまいましたね。汗

バタフライエフェクトの別エンディングも大して面白くない

ディレクターズカットでは別エンディング
も用意されていて、楽しみにしていたけれど、、、
別にそれほど面白くない??

エヴァンとケイリーと街中ですれ違って、

  • 何事もなく通り過ぎる
  • エヴァンがケイリーの後を追う
  • エヴァンがケイリーに声をかける

この程度の違いでしかありません。

この3つに大きな違いがあるのかもしれないけれど、
少なくとも僕にはわかりませんでした。汗

エンディングが矛盾しているわけではなく、
なおかつSFとしてキチンと筋が通っている映画としては、
インセプションの方が完成度は高いと思います。

関連ページ:インセプションのネタバレ|ラスト(結末)解説【インセプション考察】

こちらの映画では、ある特殊能力は
技術として身につけられるという前提になっています。

バタフライエフェクトのように、
なぜその能力を手に入れることができたのか?
という点でモヤモヤすることがないですし、ラストも見ごたえがあります。

バタフライエフェクトは本当に、
ラストにとんでもないどんでん返しがあるわけでもなく、
爽快感なく見終わってしまった感じ。

どんでん返し期待するのであれば、

関連ページ:12人の優しい日本人ネタバレ考察|12人の優しい日本人感想

関連ページ:鍵どろぼうのメソッドの伏線ネタバレ|鍵泥棒のメソッド原作は?

の方がよっぽど見ごたえがあります。

なぜタイムスリップできるのかわからない

バタフライエフェクトを見ていて、
最も消化不良になったのがこの部分。

そもそもエヴァンとその父親は、
どうしてタイムスリップできたのか?
先天的に受け継いだ能力なの???

その辺がさっぱりわからない。

肝心なところがあやふやなまま、
ただタイムスリップで過去を変えること
にストーリーの焦点が当てられてしまい、
どんでん返しのインパクトが半減しているような。。

トミーとレニーが地味に恩恵を受けている?

全般的に見てみると、ケイリー
チャイルドポルノされたり、
売春婦にさせられたり、
爆死させられたり
と、どんどん不幸になっていきます。

ただ、トミーとレニーに関しては、
こいつら逆にどんどん生活レベルが
向上していないか??

エヴァンがタイムスリップし始める前、
トミーは行方不明同様の扱いだったし、
レニーといえば完全なる引きこもりニート

エヴァンがタイムスリップを重ねるたび、
トミーの性格はどんどん改善されていき、
大学で奉仕活動を率先するような存在に。

レニーの方もエヴァンと同じ大学に通うようになり、
当たり前のキャンパスライフをエンジョイしているような感じ。

エヴァンは
刑務所に入れられたり、
両手をふっ飛ばして車いす生活になったり、
精神疾患があると疑われたり、
さんざんな目にあってます。。

エヴァンとケイリーの事だけ考えてみると、
確かに不幸になってはいるけれど、
トミーとレミーのことを考えると、
プラマイゼロなのかもしれない!?

バタフライエフェクトはパラレルワールドなんじゃねぇのか?

映画を見終えて、
タイムスリップの謎がわからずにモヤモヤ
したのと同じくもう一つ、
モヤっとしてすっきりしない点があります。

次の2つのエピソード

父親と始めて対面した時に殺されかけたのは、
タイムスリップしてきたエヴァンが能力のことを聞き出そうとしたから?

エヴァンが突然、包丁を持ち出していたのは、
チャイルドポルノにさせられかけているケイリーを助けようとした。

この2つのエピソードって要するに、
エヴァンがそもそもタイムスリップを自覚する前に
すでにタイムスリップしてきたエヴァンが、
エヴァンの過去にしていたわけですよね?

映画の中で僕らが見ているエヴァンじゃなくて、
別のエヴァンが存在してなければ、
解釈しようがありません

とするとバタフライエフェクトの世界って、
複数の世界線が同時進行している
パラレルワールドになっているんじゃないか!?
と考えられるわけです。

※冒頭の発言をここで撤回します。

パラレルワールドだとすれば、
エヴァンの主治医が言っていたことも
つじつまがあってきます。

「日記なんてないんだよ!」

「お父さんも同じことを言っていた!
アルバムなんてない!」

日記を付けてこなかった人生を過ごしてきたはずなのに
なぜ過去のエヴァンは、日記の存在を知っていたんでしょうか?

不思議ですよね?

この矛盾を解決する解釈は唯一、
パラレルワールドしかない、
というわけです。

ちなみに、主治医のこの一言をきっかけに、
エヴァンは日記以外でもタイムスリップできる
可能性があることに気づきます。

アルバムは実在していなくとも、
過去の記録をたどれるものがあれば、
タイムスリップできるかもしれない。

そして8ミリビデオがあったことを思い出し、
最後のタイムスリップを仕掛けるわけですね。

モヤモヤッとした印象はあるし、
伏線が張り巡らされているわけでもないけれど、
面白いと言えば面白い映画でした

刑務所と殺人の絵の矛盾

刑務所からタイムスリップをした際、
エヴァンは手に聖痕を残すために自分の手に傷をつけます。

この時、エヴァン少年が描いていたのが残酷な絵で、
少年時代は残酷な絵を先生が目にして母親を呼び出し、
(けっこう重要な)一悶着が起こっています。

この時、エヴァン少年はわざと残酷な絵を書くことで、先生の注意をそらし、
自分の手を傷つけるすきを作ったんだろうという見方もできますが、
聖痕を作る以前にすでに、残酷な絵を描いていたんですよね。

そもそも、なぜエヴァン少年が残酷な絵を書いたのか?
その点が未解決というか、矛盾感を感じる要素になっています。

パラレルワールド(タイムリープ系)はシュタインズゲートも有名

バタフライエフェクトのような時間を行ったり来たりするようなストーリーは、
意外とありふれていますよね。

  • ドニー・ダーコ
  • オフロでGO!!!!! タイムマシンはジェット式
  • 12モンキーズ
  • タイムライン
  • バック・トゥ・ザ・フューチャー

といったものがありますが、バタフライエフェクトのように、
タイムリープをするたびに世界が着々と変わっていくストーリといえば、
シュタインズゲートも有名じゃないでしょうか。

ゲームが原作のアニメ・映画になりますが、
ストーリーはかなり良くできていると感じます。

アニメや映画では、シュタインズゲートの全体像が描かれているわけじゃなくて、
原作のゲームではすさまじいほどの世界観が広がっているものの、
それでも、タイムリープ系の映画としては十分に楽しめます。

バタフライエフェクトと似たような映画

バタフライエフェクトでは結局、AとBという2つの選択肢があって、
どっちを選んだらどんな結果になるのか?
というのを楽しむ映画だったように感じます。

2つの選択肢を選ぶということに関しては、
情報量で考えると確かに1bit(1ビット)しかありません。

この1bitの違いが運命の大きな分かれ道になっているので、
確かにバタフライエフェクトと言ってよいのかもしれません。

ただ、個人的には、なんだかタイトルとストーリの整合性に、
納得いかない気分にさせられます。

どちらかというと、バタフライエフェクトを題材にするのであれば、

  • スライディング・ドア
  • ジャケット

という2つの映画の方が良いように感じます。

スライディングドアは、
電車のドアが閉まった場合
電車のドアが閉まらなかった場合

みたいな感じで、ふたつの運命による恋の行方を
並行させてストーリーが進んでいく映画です。

ジャケットは重症を負った主人公の元軍人が奇妙な事件に巻き込まれ、
奇妙な治療を受けた結果、15年後にタイムスリップ。

しかしすでに自分は死んでいることになっていたため、
ジャックは未来を行き来しながら、自分の真相に迫る、といったストーリーです。

バタフライエフェクトの主要キャストプロフィール

アシュトン・カッチャー

Ashton Kutcher,
1978年2月7日 -

エヴァン役
2005年9月に16歳年上の女優デミ・ムーアと結婚するも離婚。
史上初めてtwitterの100万フォロワーを超えた人物でもある(2009年4月)
代表作
セレブな彼女の落とし方(トム・スタンフィールド役)2003年
ベガスの恋に勝つルール(ジャック・フラー役)2008年
スティーブ・ジョブズ(スティーブ・ジョブズ役)2013年

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