乾電池液もれ原因や捨て方|予防対策は?リモコンや手につくと害は?

マンガン電池、アルカリ電池、ボタン電池、リチウム電池など、
乾電池から液漏れしているのを発見した場合、
乾電池には手を直接触れないように気を付けましょう。

乾電池の中にはPHの強い液体が使われているため、
乾電池の液漏れが肌についてしまうと、
化学火傷を起こす危険があります。

壁や床、テーブルなどに付着してしまうと、
浸食がドンドン進んで傷が残ってしまいます。

液漏れした乾電池をそのまま使い続けるのは非常に危険なので、
安全な状態にしてから処分しなければいけません。

ゴム手袋などをはめた状態で液漏れした乾電池をまず
大量の水でしっかり洗います。

乾電池に使われている液体も水で薄めることでPHが下がり、
刺激を弱めることができます。

十分に洗い終わった後は、
良く乾燥させて液漏れが収まっているのを確認してから、
紙袋などに包んで捨てるようにしましょう。

紙袋にも念のため「液漏れ乾電池」のように記載しておくことで、
ゴミ収集業者の回収作業中に余計なトラブルや事故が起きるのを
予防することができます。

液もれ乾電池の処理・処分方法

乾電池から液漏れしていたり、
白い粉のようなものが乾電池に付着していたりして、
液漏れしたと思われる痕跡が見つかった場合には、
手で乾電池に直接触れるのは絶対に避けるようにしましょう。

乾電池の内部に使われているのは電解液という、
PHが強い(アルカリ性、もしくは酸性の強い)液体です。

白い粉になっていれば、まだ危険度はそれほど高くはないものの、
まだ液体状態の場合には、PHが強い状態です。

安易に手で触れてしまうと化学火傷を起こしてしまいます。

化学火傷の怖いところは、反応が途中で止まることはなく、
放っておくとどんどん反応が進んでしまうことです。

最悪場合、皮膚を突き破ってしまい、体の内側にまで、
被害が及んでしまうこともあり得るので、
液もれ乾電池に触れる際は最低でも、ゴム手袋などをはめるか、
ティッシュや新聞紙で何重にもくるむようしましょう。

その後、液漏れした乾電池を大量の水で洗って電解液を希釈して、
PHを下げ、液漏れしていないことを確認したうえで、
通常の乾電池の捨て方で捨てるようにしましょう。

乾電池を捨てる際はセロハンテープでもガムテープでも良いので、
基本的にプラスとマイナスの電極を絶縁した状態にして、
電気が確実に流れないようにしておきましょう。

目や肌についた場合もすぐに大量の水で洗浄

万が一、肌に乾電池の液漏れ(電解液)が付着したり、
目に電解液が飛び散った場合の処置も大量の水で洗うのが基本です。

PHが強い状態だとどんどん化学火傷が進んでしまうので、
一刻も早くPHを下げてダメージを最小限に抑えたのち、
すぐにでも病院で診察を受けるようにしましょう。

特にマンガン電池よりもアルカリ乾電池の方に
PHの強い電解液が使われているので、
肌に付着した場合は決してこすったりせずに、
とにかく大量の水で勢いよく洗い流さなければいけません。

衣服・家具・床に付着た場合もすぐにふき取る

肌・目以外にも、

  • 衣服
  • 家具
  • 床(フローリング)

などに乾電池の液漏れが付着してしまった場合も、
できるだけ速やかに大量の水でふき取るようにしましょう。

衣服であれば、そのまますぐにでも洗濯機で洗うようにして、
畳の場合には、水を少し多めに含ませた雑巾で、
繰り返し拭き取るようにしましょう。

もちろん、手でぞうきんなどを直接触れるのは避けて、
ゴム手袋をはめるようにして、
使った雑巾もすぐに捨てるようにしましょう。

リモコンなど機器に付着した乾電池の液もれ・さび除去

リモコンや子供のおもちゃなど、乾電池をはめていた部分にも、
乾電池の液漏れが白い粉で残っている場合には、
削り落とすようにしましょう。

白い粉がついた状態だと電極がほぼ絶縁されてしまうので、
機器は使えない状態になっているものの、白い粉をきれいに削れば、
乾電池と機器の電極が正常に接触できるようになり、
また使えるようになります。

電極部分(端子)が電解液で腐食しているのを元に戻すことはできないものの、
白い粉さえなくせば、通電させられる可能性があります。

ティッシュでこするだけで乾電池の白い粉が落ちることもありますが、
ティッシュでダメなら紙やすり、金属たわしなどを使うか、
無水アルコールを使う方法もあります。

白い粉をきれいにふき取った後は、
鉛筆やシャーペンで接点をこすると電流が流れやすくなります。

鉛筆やシャーペンに使われている芯は
電気の通しやすい炭素の塊なので、
通電を促してくれます。

もちろん、機器に付着した乾電池の白い粉を削り落とす際も、
ゴム手袋をはめて肌に直接触れるのを避けなければいけません。

マンガン電池よりアルカリ電池の液漏れは要注意

良く目にする乾電池(単四電池や単三電池)には

  • マンガン電池
  • アルカリ電池

といった2種類があります。

それぞれ電極に使われている素材や電解液の種類が異なります。

一般的な乾電池の場合だと、
マイナス極は亜鉛でできた筒が使われていたり、
プラス極は炭素棒や酸化マンガンが使われています。

マンガン電池とアルカリ電池の大きな違いは内部で使われている電解液の違いで、
マンガン電池や塩化アンモニウムや塩化亜鉛(今はこちらが主流)、
アルカリ電池は水酸化カリウムが使われているのが一般的です。

化学的に言うと、

  • マイナス極
  • プラス極

でそれぞれ電位差の異なる素材(電子量の違う素材)を使い、
電解液(触媒)を伝わってスムーズに電子が移動することで、
電流が流れる仕組みになっています。

どんな素材を電極に使うか?どんな電解液を使うか?
という組み合わせが、販売会社ごとによって異なっているわけです。

ちなみに、最も古いタイプの電池だと、

乾電池とよく似たものに車で使われているバッテリーがありますが、
バッテリーの場合、電解液が液体のまま使われているのに対して、
乾電池では特殊な個体に電解液を吸収させていることから、
乾燥の「乾」という字が当てられています。

ただ実際には完全に液体が固体に閉じ込められているわけじゃないので、
保存状態が悪かったり、逆電流が流れる、過負荷をかけるなどの要因で、
乾電池の液漏れが起きることがあります。

マンガン電池の電解液である塩化亜鉛は、
あまりPHが低くない弱酸性で、
木材の防腐剤などに使用されることがあります。

ただ毒物に指定されている化学薬品なので、
人体に有害であることは間違いありません。

アルカリ電池の水酸化カリウムは、
PHの高いアルカリ性なので、
液漏れした場合の危険度はマンガン電池よりも高くなります。

劇物指定されている化学薬品で(劇物No.165「毒物及び劇物取締法別表」法53)、
液漏れした乾電池に白い粉が付着している正体は、
ほぼ水酸化カリウムが化学変化した可能性が高いです。

マンガン電池とアルカリ電池の使い分け

私たちは普段、何げなくマンガン電池やアルカリ電池を使っています。

家電量販店などで乾電池を購入する際も、
種類はあまり考えずに安いものを選んでいる思いますが、
マンガン電池とアルカリ電池は使い分けたほうが良いです。

一般的にアルカリ電池の方が出力(電力)が強いので、
パワーを必要とする機器に向いています。

具体的には子供が頻繁に遊んでいる乾電池で動くおもちゃや、懐中電灯、
乾電池で動くバリカンなどがアルカリ電池に向いています。

マンガン電池の方はというと、
出力はアルカリ電池に比べて下がるものの、
耐久力に優れています。

テレビやエアコンンリモコン、壁かけ時計、目覚まし時計、防犯ブザー
wiiなどゲーム機のコントローラーなどはマンガン電池が向いています。

液もれ乾電池の白い粉は電解液が化学変化したもの

乾電池の白い粉は電解液が空気に触れて化学変化したものです。

液漏れしやすいのはマンガン電池よりも出力の強いアルカリ電池の方で、
実際に市販されている乾電池はマンガン電池が減りつつあり、
アルカリ電池が主流となりつつあります。

いずれにしても、液漏れした乾電池に白い粉が付着している場合、
マンガン電池の塩化亜鉛かアルカリ電池の水酸化カリウムが、
空気中の二酸化炭素と結合したものと考えられます。

また塩化亜鉛のほうが水酸化カリウムよりも反応が進みやすいので、
マンガン電池は電解液そのものが液漏れする危険は低くいと言われています。

つまり乾電池が液漏れしている場合は、
アルカリ電池の電解液である水酸化カリウムの可能性が高いため、
安易に手で触れたり、周囲に飛び散ったりしないように
十分に気を付けなければいけません。

乾電池から液もれする原因

乾電池からなぜ液漏れしてしまうのかというと、
直接的には電解液を内部に閉じ込めている
金属の外壁が破損・劣化してしまうことが原因です。

では、どんな要因で金属の外壁が破損・劣化するのかというと、

  • 長期保存
  • 落下や外圧・衝撃など外的ダメージ
  • 電池の逆挿入やショートなどの過放電

といった要因が考えられます。

長期保存

長期保存している最中、電池に細かい傷が入ることがあります。

もしくは工場出荷してからお店に届くまでの間、もしくは、
お店から家に持って帰るまでの間の過程で、
電池に目では確認できない変形やさび、
内部の部品の劣化などが発生することがあります。

高温・多湿などの悪条件がずっと続くことで、
外壁の金属が傷んでしまう可能性もあります。

密封度が劣化した個所から電解液が液漏れし始めると、
その部分が電解液によってさらに浸食されてしまい、
激しく液漏れし始めることがあります。

落下や外圧・衝撃など外的ダメージ

乾電池を落として強い衝撃を加えて傷をつけてしまったり、
強く圧迫して変形させてしまうことも、
外壁を損傷させて乾電池を液漏れさせることがあります。

電池の逆挿入やショートなどの過放電

最近の乾電池は「破裂」による事故を防ぐ仕組みが取られています。

乾電池を使用していると、電解液が気化したガスが自然発生してしまうんですが、
何らかの要因でガスが大量発生してしまうと乾電池の外壁が耐えられなくなり、
乾電池の破裂事故を起こすことがありました。

そこで乾電池の破裂事故を減らすために、
規定圧力を超えると安全にガスを抜く安全機構が働くようになっています。

内部にたまったガスを外へ逃がすわけですが、
この時、ガス化した電解液だけではなく液状の電解液も
そのまま漏れ出すことがあり、乾電池に液漏れが見られることがあります。

乾電池が破裂しそうなほどガスが大量発生する要因としては、
電池の過放電です。

たとえば、乾電池の電極が金属部品でたまたま繋がれたりすると、
ショート電流(異常電流)によって過放電や異常発熱が起こり、
それが液漏れにつながります。

また、種類の違う乾電池を並列に並べて使ったり、
新しい乾電池と古い乾電池をごちゃまぜにして使った場合、
出力の弱い方の乾電池に大きな負荷がかかってしまうことで、
過放電状態となり液漏れすることがあります。

最近の機器にはあまり見られなくなったものの、
乾電池を逆刺しする(プラスマイナスを逆にする)ことで、
やはりショート電流が流れて過放電が起きることもあります。

乾電池の逆刺しで怖いのは、たとえば3本を使うタイプの機器で、
1本だけ逆に刺しているのに気づかないまま
機器が動いてしまったときです。

乾電池が逆のまま使い続けることになるので、
最悪の場合、機器そのものを壊してしまう可能性もあります。

乾電池の保存期間や保存方法

乾電池を見てみると保存期間が記入されているので、
保存期間が過ぎているモノは使わずに捨てるようにしましょう。

外壁の金属や電極が劣化していて液漏れする危険が高くなっていますし、
十分な出力が出ないため、新しい電池と混ぜて使うと過放電が起きて、
やはり液漏れの危険を高めることになります。

乾電池を家で保存する場合には、

  • 高温多湿な環境を避ける
  • 冷蔵庫で保管しないこと!
  • 金属と一緒に保管しない
  • 種類・銘柄の違う電池を混ぜて使用しない
  • 電池交換はすべて一緒にが基本

といった点に気を付けるようにしましょう。

高温多湿な環境を避ける

高温多湿な環境というのは生物にとっては過ごしやすいものの、
乾電池のような無機物にとっては非常に負担の重い環境です。

金属の劣化を速めて乾電池の寿命を縮めてしまうし、
下手に使うとすぐに液漏れしてしまう可能性もあります。

日の当たらないところで常温で保存するようにしましょう

追記

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