シートベルト戻らない|ほつれ・戻りが悪いシートベルト修理・車検

シートベルトが戻らない状態になっていたり、
もしくは戻りが悪かったり、締めた後もシートベルトが
たるんでいたりしないでしょうか?

シートベルトの巻き取りが弱いせいで、車を降りようとしたら、
シートベルトをドアに挟みこんだりしていませんか?

シートベルトが戻らないのは、
プリテンショナーやフォースリミッター、リアクターといった、
シートベルト周りの部品が故障している可能性もありますが、
単なる汚れ・ほつれ・ねじれが原因の場合もあります。

シートベルトの巻き取りが弱くなるのは何原因で、
スムーズに巻き取りできるようにするためには、
どんなことをすれば良いんでしょうか?

シートベルトの戻り(巻き取り)の仕組み

シートベルトは車検でもチェックされる重要な機能の一つです。

最近では運転席・助手席だけではなくて、
後部座席もシートベルト着用が義務付けられるようになりました。

事故が起きた際など、ドライバーや同乗者が車外に放り出されないように、
座席シートに固定するのがシートベルトの最大の役目。

車外に飛び出ないにしても、ハンドルやダッシュボード、
フロントガラスなどに頭や体が衝突するのを防ぐ役割もあります。

シートベルトの構造は、主に3つに分かれていて、

  • プリテンショナー機能
  • フォースリミッター機能
  • リアクター機能

シートベルトを勢い良く引っ張ると、
キュッと固定されて動かなくなるのは、
プリテンショナー機能です。

フォースリミッター機能は、
プリテンショナー機能が働いてシートベルトが固定された後、
徐々にロックを緩める機能です。

シートベルトが固定されたままだと、
身体を強く圧迫してしまい、
逆にケガを招く可能性がありますからね。

シートベルトの一部分が折り返されていて、
軽く縫い合わせてあるだけなんですが、
縫い目が解けることでシートベルトが緩み、
胸部などの衝撃を弱めています。

そしてシートベルトの巻き取りをしているのが、
リアクター機能です。

リアクターの構造ではゼンマイが使われていて、
寸法を測るメジャーと同じような仕組みになっています。

戻らないシートベルトの原因と修理方法

シートベルトが戻らない・戻りが悪い原因としては、

  • シートベルトのねじれ
  • シートベルト自体の汚れやほつれ
  • スリット目詰まり
  • リトラクター故障

といったものが考えられます。

シートベルトのねじれ

シートベルトの一部分がねじれていると、
ねじれた部分とシートベルト機構の摩擦が大きくなり、
シートベルトが戻らなくなっていることがあります。

シートベルトを一度、最大限に引っ張り出してみて、
ねじれている部分があったらシートベルトのねじれをほどくようにしましょう。

シートベルト自体の汚れやほつれ

シートベルトが戻りにくい原因の多くが、
シートベルト自体の汚れやほつれだと言われています。

新車で購入した時点ではシートベルトはピカピカで、
摩擦もなくスルスルと動きます。

けれどもシートベルトに徐々に汚れたたまっていくことで、
シートベルト機構との摩擦が強くなり、
巻き取りが弱くなることがあります。

車に乗車・下車を繰り返せばそのたびにシートベルトを触るので手垢が付きますし、
シートベルト装着中に服の繊維やチリ・ほこりなどもシートベルトに付着します。

子供のクラブ・部活動の送り迎えをしているのであれば、
ユニフォームについた泥汚れや汗もシートベルトの汚れの原因となります。

シートベルトは水洗いしても問題ないので、
雑巾に中性洗剤を混ぜてきれいに拭いたり、もしくは、
シートベルトを目いっぱい出した状態でドアの外にだし、
ドアを閉めてしまいます。

車の外にシートベルトを出して固定した状態で、
じゃぶじゃぶと水洗いすることもできます。

シートベルトを何百回、何千回と使っているうちに、
シートベルトの一部がほつれることもあり、
ほつれた部分の摩擦が大きくなることもあります。

ほつれをきれいに整えることができればよいですが、
ひどくほつれてしまっている場合には、
シートベルトを交換しなければいけません。

スリットの目詰まり

シートベルトの汚れやほつれともかかわってきますが、
シートベルトを収納するリトラクターの出入り口に、
汚れやほつれた糸がたまっていることもあります。

爪ようじや針金などを使って、
スリットの中にたまっている汚れをかきだすようにしましょう。

リトラクター故障

リトラクターの巻き取り機能は、
主にゼンマイの力を使っています。

もしゼンマイが劣化していたり、
ゼンマイが破断していた場合には、
巻き取りが弱くなったりするし、
完全に戻らなくなることもあります。

シートベルトのプリテンショナー機能が作動していて、
固定されているというのに、
それでもなお強くシートベルトを引っ張ることで、
リトラクターが故障することがあります。

リトラクターが故障していた場合、
車の内装の一部をはがしてリトラクターを取り出す必要があり、
かなり大掛かりな作業になります。

ほつれて戻らないシートベルトで車検は通る?

車検ではシートベルトも検査項目となっています。

ただ、

  • 座席人数分のシートベルトが設置されているか?
  • シートベルトが埋まっていないか?

といった点を目視で確認される程度のようです。

つまり、シートベルトが戻らない・戻りが弱いかどうかを、
実際に動かして確認されるわけではなさそうなので、
車検には通る可能性が高いです。

※検査員の検査方法や、検査場によって異なります。

車検に通ったとしても、
シートベルトが正常に機能しない状態で公道を走行するのは、
違反と見なされることがあるし、何よりも、
自分の身を危険にさらすことになります。

車検に通るかどうかにかかわらず、
巻き取りが弱い・戻りにくいシートベルトは、
早目に修理をしておくべきでしょう。

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チャイルドシートと車検

法律では6歳以下の子供にはチャイルドシートの設置が
義務付けられています。

車検に関してはチャイルドシートは検査対象外なので、
わざわざ外さなくても、設置したままでも良いようです。

逆に気をつけたいのが、チャイルドシートを設置したとき、
キチンと車に固定されているかどうか?

それと、チャイルドシートのシートベルトが、
キチンと固定できる状態になっているかどうか?

チャイルドシートを車に設置する際は、
体重をかけてチャイルドシートを座席の背もたれに密着させて固定し、
シートベルトをしめてから手で揺らした時のぐらつき・がたつき幅が
2.5cm以内に収まるようにするのが目安です。

理想を言うと車に乗るたびに確認したほうが良いですが、
少なくとも、法定点検の時に一緒にチャイルドシートの
シートベルトチェックもしたほうがよいでしょう。

妊婦のシートベルト着用

公道を走行するにはシートベルトの着用が義務となっていますが、
お腹の大きくなった妊婦もシートベルトをしなきゃいけないの?
というと、原則としてシートベルトは着用しなければいけません。

一般的な3点式のシートベルトであれば、
お腹を圧迫しないように
お腹の下にシートベルトを回せばよいですしね。

ただもちろん、破水して車で病院にいく!といった
緊急事態も想定されますから、
シートベルトをするのがどうしても苦しい!という場合は、
シートベルトをしていなくても、違反とみなされることはなさそうです。

緊急性はなく、通常時の妊婦さんが運転したり、車に乗る場合には、
妊婦さん用のシートベルト着用をサポートしてくれるグッズがあります。

車に乗る頻度が高いのであれば、
こうしたグッズを使うのが良いんじゃないでしょうか。

シートベルトの交換修理方法

シートベルトは

  • シートベルト(ストラップ)
  • バックル(シートベルトを固定する受け手)
  • タングプレート(シートベルト先端にある部品)
  • リトラクター(シートベルトの巻き取り部品)

という主に4つのパーツで構成されています。

このうち、最も故障しやすいのは実はバックルで、
バックルの中に汚れが詰まることで
タングプレートとバックルがかみ合わない!
というケースも多いです。

汚れを取り除けばシートベルトが固定できるものの、
リトラクターが故障していたり、
シートベルトがひどくほつれていた場合には、
交換修理が必要です。

シートベルトの交換修理にあたっては、
部品1つを交換すれば済むわけではなく、
基本的に4つの部品をセットで
交換・修理しなければいけません。

さらに、シートベルト機構を丸ごと交換するには、
内装をはがしてシートベルトを車体から取り外すという、
意外と大掛かりな作業となるので、修理代は意外と高くなりがちです。

シートベルトの部品代と作業工賃を合わせて、
安くても1万円台後半、高くなると5万円近い修理代が
かかると思った方が良さそうです。