車の走行中にカタカタと異音が聞こえてくるのは、
チャイルドシートの取り付けが甘くて金具がぶつかるとか、
荷台に置いてある荷物がぶつかり合っているのであれば、
修理の手間も修理代もかかりません。
けれども、チャイルドシートの取り付けを見直したり、
荷物を整理してもそれでもカタカタ異音が聞こえる場合、
車に何らかの異常が生じていると考えられますが、
- エンジン部品の故障
- エンジンマウント破損
- ドライブシャフトブーツ破損
- ボールベアリング損耗
- ナットのゆるみ
- オルタネータなどの異常
といったものが考えられます。
いずれのケースでもカタカタ異音を改善するには、
ディーラーや自動車修理工場などに車を持ち込んで、
修理してもらわなければいけません。
カタカタ異音が聞こえる程度で運転に支障がなかったとしても、
知らないうちに問題がドンドン大きくなっていき、
最終的には車が動かなくなることもあり得るので、
カタカタ異音は放置しないで早目に修理・対策をしておきましょう。
目次
カタカタ異音の原因1車内の荷物が揺れる
車の走行中にカタカタ異音がしてきたら、
まず最初に確かめなければいけないのは、
車の中にある荷物同士がぶつかっていないかどうかです。
車がちょっとした段差で特にカタカタ異音が強くなる場合、
固い荷物同士がぶつかりあっている可能性が高いです。
他にもベビーシートやチャイルドシートの取り付けが不十分で、
座席との間に隙間ができると、ガタガタ揺れてカタカタ異音の原因となります。
荷物がぶつかり合うというのは、
あまり好ましい状態とは言えないので、
カタカタ異音するあたりの荷物を整理しましょう。
カタカタ異音の原因2エンジン部品の故障
高速道路などでスピードを速くすればするほどカタカタ異音が大きくなる場合、
エンジン部品の故障の可能性が疑われます。
カタカタというよりは「カラカラ」「ガラガラ」という異音に近い場合、
エンジン内部で異常が発生している可能性はさらに高まります。
エンジンはインジェクターや呼気バルブ、シリンダー、エアエレメントなどなど、
様々な部品によって構成されていて、エンジン内部でこれらの部品が連動することで、
エンジンを動かしています。
こうしたエンジン部品は本来であれば、お互いにぶつかり合うようなことはないものの、
たとえばエンジンオイルが劣化したりすると、エンジン内部にスラッジと呼ばれるカスがたまり、
エンジン部品の動きを邪魔することがあります。
その結果、エンジン内部で部品同士がぶつかり合うようになってしまい、
カタカタ異音の原因となります。
エンジン部品の故障を放っておくと、エンジンの回転が不安定になり、
アイドリング不調につながる可能性もあります。
カタカタ異音の原因3エンジンマウント破損
エンジンマウントとは、
車両とエンジンを連結させる役割があり、
エンジンの振動が車体に伝わるのを低減する防振機能や、
エンジンを支えている土台のような機能もあります。
エンジンマウントがあるおかげで、
路面から受ける衝撃や運転中に生じる横重力によって、
エンジンの正常な位置を保ち、位置がずれないように固定されています。
逆に言うと、エンジンマウントに破損などの異常が生じてしまうと、
エンジンの位置がずれても元に戻せなくなってしまいます。
その結果、エンジンとエンジン回りの部品が触れ合うようになり、
カタカタと異音がするようになります。
エンジンマウントに異常が見られる場合には、
カタカタ異音がする以外にもアイドリング中のエンジンの振動が
大きくなるなどの症状も同時に起きることが多いです。
カタカタ異音の原因4ドライブシャフトブーツ破損
車の走行中で特にカーブを曲がる際にカタカタ異音が気になる場合、
ドライブシャフトブーツの損傷が疑われます。
カタカタという異音に混ざって、
ガガガという異音も聞こえる場合には、
ドライブシャフトブーツ破損の可能性が非常に高いです。
ドライブシャフトブーツとは、
エンジンの動力を車輪に伝える回転軸
「ドライブシャフト」に取り付けられているゴム部品で、
ドライブシャフトを外部の汚れや衝撃などから保護する役割をしています。
ドライブシャフトブーツは経年劣化によって破損することがあり、
ひび割れを起こすと中のグリスが飛び散ってしまい、
ドライブシャフトの動作がぎこちなくなることで、
カタカタ異音がすることがあります。
ハンドルの動きに合わせてよく曲がるように設計されている
ドライブシャフトによってかなり大きな負荷をかけられるので、
ドライブシャフトブーツはそもそも劣化しやすい部品の一つです。
ドライブシャフトが破れている場合、中から漏れた潤滑油が飛び散ることで、
タイヤ回りがベトベトに汚れれていることも多いです。
ドライブシャフトが破損したまま運転を続けてしまうと、
最終的にはドライブシャフト自体が摩耗・損傷する危険性があり、
ハンドル操作がおぼつかなくなってしまいます。
カタカタ異音の原因5ボールベアリング損耗
車体とドライブシャフトの連結部には、
ボールベアリングというリング状の部品があります。
ドライブシャフトは高速で回転しているのに対して、
車体に回転エネルギーは伝わることなく、一定の姿勢を保つことができるのは、
ボールベアリングのおかげです。
ボールベアリングの中には小さなボールが敷き詰められていて、
ドライブシャフトが回転をしてもボールが回るだけで、
ボールベアリング自体が回転することはありません。
ただ、ボールベアリングは車を走行させている間は、
常に働き続けるので、相当の負荷がかかる部品です。
軽自動車や小回りの利くように設計されているファミリーカーだと、
ハンドルの切れ角が大きい影響で、ボールベアリングに負荷がかかりやすく、
ボールベアリングの損耗によるカタカタ異音がすることが多いです。
カタカタ異音の原因6ナットのゆるみ
冬に向けてスタッドレスタイヤに履き替えたり、
もしくはスタッドレスタイヤからノーマルタイヤへ履きかえたなど、
タイヤ交換をしてからカタカタ異音がするのであれば、
ホイールナットが緩んでいる可能性が考えられます。
カタカタ異音の大きさ・間隔が車のスピードに比例している場合、
ホイールナットの緩みが原因として疑われます。
ホイールナットをきつく締め直せばよいんですが、
締め付け過ぎるとボルトを破損してしまうことがあります。
ホイールナットはどのくらい締め付けると良いのかというと、
- 軽自動車 90N・m
- 普通車 105N・m
という風に「締め付け規定トルク」が規定されていますが、
素人だといまいちピンとこない数値ですし、計測しようもありません。
足で踏みつけて体重かけるほどきつく締める必要はなくて、
膝をついて両手でふん!っと、クロスレンチに力を込めて締める程度で良いです。
少しだけ車を走らせてみてから、
同じように増し締めすればOKです。
カタカタ異音の原因7オルタネータなどの異常
エンジンとファンベルト(タイミングベルト)でつながっている
エンジン補機と呼ばれる部品があります。
- オルタネータ
- エアコンプレッサー
- パワステポンプ
などはエンジン補機と呼ばれ、エンジン動力によって動く仕組みになっています。
オルタネータはエンジン動力によって
内部のコイル(ブラシ)を回転させることで発電しているし、
エアコンプレッサーやパワステポンプはモーターが回転することで、
冷気を作ったりポンプからオイルを供給したりしています。
いずれにしてもエンジン補機類には回転する部品が使われているため、
一部が破損したり劣化といった異常が起きると、
カタカタ異音がすることがあります。
カタカタ異音の原因7その他
カタカタ異音がするその他の原因を上げていくと、
- タイヤの溝に小石が挟まっている
- タイロッド・ロアアームのがたつき
- ブレーキキャリパーの劣化
- ファンベルトのプーリーの破損
といったものが考えられます。
ファンベルトのプーリーの破損している場合、
ファンベルトの動きを邪魔してしまい、
キーキーとかキュルキュルといったベルト鳴きの症状も同時に起こりやすいです。
プーリーとはエンジン・エンジン補機類とファンベルトの連結部にある円形状の部品で、
動力がスムーズに伝わるようにしている部品です。
ブレーキキャリパーの劣化だと、
放っておくとブレーキ引きずりを起こす危険があり、
車の加速に合わせて「シャーシャー」という異音が発生するようになります。
ブレーキキャリパーの先にブレーキパッドがついていて、
ブレーキパッドでドライブシャフトのブレーキローターを押し挟むことで、
ブレーキの制動力を生み出しています。
ブレーキキャリパーが劣化すると、ブレーキペダルから足を離しても
ブレーキパッドが元の位置に戻りきれず、ブレーキローターに触れたままとなり、
「シャーシャー」という異音が発生するのがブレーキ引きずりの症状です。